にわ まことの『酷道308号線暗峠』惨敗の報告

今回からサイクリング旅日記の仲間に入れていただくことになりました。にわ まことです。よろしくお願いします。第一回目の投稿が『酷道308号線暗峠』惨敗の報告とは、まったく情けないのですが、正直に報告します。また、今年の7月から始めた私の個人的なブログ『60歳からの青春』には、自転車以外に日記や読書や木工など色々と書いていますので、ぜひともご覧ください。

『サイクリング旅日記』カズ爺のおすすめサイクリングコースを読んで、俄然酷道308号線暗峠に行きたくなった。カズ爺は過去に大阪側からアタックして、5月26日のアタックは奈良県側からだった。色々と調べてみても、ちょっと歯が立ちそうにないので躊躇していた。そんな時、『ニッポンバラタナゴ高安研究会』の加納先生からお呼びがかかり、八尾市の大学に昼から行くことになった。なんとこの大学から酷道308号線は、目と鼻の先。お仕事は昼からということで、こんなチャンスはめったにないと思い、クルーガーに自転車を積込んで出かけた。輪行・自動車はご法度と固く心に決めていたけれど、今回は『酷道308号線暗峠調査』ということで自分を納得させた。あくまで調査です、実績ではありません。

調査報告書の結論は、『惨敗!身の程知らず』です。とてもじゃあないけれど、登りはカメラを出す余裕もなく、これからご紹介する写真は、ブレーキを焼きながら帰りに写したものを逆に並べました。



この写真、なんだか分かりますか?これはコンクリートの道路を作った時の副産物なんです。急な斜面に生コンクリートを打設すると、ずるずると生コンクリートは自分の重みで坂の下へ流れてゆきます。これを防止するために『生コンクリートの真空養生』という技法で余分な水分を抜くのですが、その時装置の面にリング状の突起をつけておけば、あのような滑り止めが出来上がります。とにかくこの道路、ホームセンターの屋上駐車場に上がるように、とんでもなく勾配がきついんです。土木工学の講義はこれにてお終い。



国道170号線の箱殿が、酷道308号線の出発点だ。ここから緩やかな登りになり、近鉄奈良線をくぐったあたりから、国道は酷道に変貌してゆく。近鉄奈良線から峠までの平均斜度が『ルートラボ』で検索すると17.8%と出ている。角度で言うと10°弱になる。そんなもんなんかなあ・・・。



初めの挫折地点、観音寺です。箱殿からノンストップで走って来て、たった1.98kmの地点です。平均速度7.5km/h。ここまで来て、カズ爺の『弘法大師の泉あたりで心が折れ・・・』の意味が、泉のはるか手前で分かった。普通は『心が萎える・・・』と表現するんだけれど、胸の当たりで『ポキッ』と折れる音がしたような気がする。この写真、登山者が前屈みで歩いてるでしょ。登山道ですね。



不動明王です。場所はもう覚えていません。でも、綺麗な花が供えてあった。



 

たぶんここが、最大勾配だと思う。カメラが水平かは定かじゃあないけれど、30%(約17°)はありそうだ。水平に10m進んで3m上がる、まるで家の屋根を駆け上がるようなもんだ。



自動車もかなり苦労をして、真っ黒いタイヤ痕を残して走ってる。まるでサーキットのタイヤ痕の様だ。もちろんここは、しっかりと自転車を押しました。



弘法大師の泉です。カズ爺は、ここで心が折れたのか!私なんぞもっと下で、心がぼろぼろに砕けた。



美しい、日本の棚田です。実はこの手前で、もう一度止まってしまった。場所は良く思い出せないけれど、らくらく登山道と交差したあたりだった。箱殿から2.84kmの地点、。平均速度6.3kmで観音寺の平均速度よりさらに落ちた。



そろそろ暗峠だ。棚田を過ぎたあたりから、心もち勾配が緩やかになったような気がする。



ようやく暗峠頂上に到着した。箱殿からここまで、3.68km、平均速度6.3km/h。計算上は35分ぐらいだけれど、へたってる時間を入れると45分以上はかかってるなあ。ここから向こうは、奈良県生駒市になる。たぶん正面のガードレールは、信貴生駒スカイラインだと思う。この先はまるで奈落の底に落ちてゆくように、酷道308号線は、この道路の下を通って奈良に続く。奈落を覗くのはやめた。その手前右側にあるのが、お土産屋の『すえひろ』です。



お土産屋の『すえひろ』で、この土地で取れたものなどを売ってる。食事もできます。



すえひろのおばちゃん、暗峠小町です。『どこから来たの?』と聞かれたので『出発したのは八尾の近くの大学だけれど、住んでるところは豊中です・・・』と言ったら、『あら、私は豊中の走井の生まれよ・・・』ということになって、しばらく話し込んで、お土産に『おいしい手づくりみそ 西畑町 棚田を守る会』を買った。我が家の『手作り手前味噌』と勝負してみよう。



暗峠小町に、写真を撮ってもらった。



一応国道ですが、日本でここだけしかない綺麗な石畳酷道です。ほんの少しの距離だけれど、走りにくい。ロードバイクは、もっと大変だろうなあ。下手に走ると、リムが曲がりそうだ。



これは何だろう? 東大阪市側の一軒目のお家です。読んでみたら・・・



読んでみても、意味不明の張り紙でした。



 

こんな石標も、あります。『此鬼取山之薬師十二丁・・・』この下は読めませんでした。



 

別の面には『大阪 伏見屋・・・?』よく分かりません。



石畳に、影法師・・・。時刻9時59分、そろそろ下ります。今来た道を一気に下ろうと思ったけれど、一気どころかおっかなびっくりの下りが続きます。2~3分下ったあたりで、ゴムの焼けるにおいがしてきた。ブレーキも利きが落ちてくるのがわかったので、あわてて停車した。カズ爺の『リムとブレーキを冷やす水は常に携行してください・・・』の忠告通り持参したペットボトルの水をリムとブレーキにジャアジャアかけて、下に着くまでにもう一度ジャアジャアかけた。忠告を素直に聞いてよかった。



 

間もなく下界に到着する。正面のビル群は、なんばあたりかな?回れ右をして坂道に向かって一礼、『ありがとうございました、一から出直します・・・』



ようやく大学の駐車場に到着した。無事だった。その他、ちょっと思ったことを羅列します。

  • この道、結構車がやってきます。『通行困難』と地図に書いてあったけれど、困難をものともせず、車はやってきます。行き帰りで、10台ぐらいと遭遇したかなぁ。一度後ろからクラクションを鳴らされて、びっくりした。よっぽどフラフラ走ってたのかもしれません。
  • この登り坂で一旦止まってしまったら、再発進できません。道理で、一旦停止の標識は無かった。そのまんまで上を向いてペダルを踏んだら、前輪が持ち上がってしまいます。仕方がないので、ところどころに用意されている、車のすれ違いの為の空き地まで下って、そこから道路に直角に飛び出してから上を向きます。
  • カズ爺も言ってたけれど、立こぎはむずかしです。20kgある私のMTBでも、後輪がスリップしてしまいます。進みません。
  • ブレーキの調整は念入りに・・・。このあいだ、カンチブレーキからVブレーキに変えてよかったと、この下り坂でつくづく思いました。カンチブレーキだったら、下りでどこかに突っ込んでたかもしれない。
  • 蛇足ですが、八尾市内から箱殿までの旧170号線は、とにかく走りにくい。車と自転車が、カトマンドゥの市内みたいに走ってる。瓢箪山の近くは商店街で、押して歩かないといけない。西の170号線は車が多いしなあ・・・。
というわけで、今回も記録と反省を最後に・・・。

良かったこと:自分の実力が、よく分かった。無謀な挑戦だったということも・・・。

反省点:馬力とか持久力ではなく、筋力を鍛える必要があると痛感した。それほど疲れた感じは無いのに、ペダルが回せないんだもん・・・。次の挑戦までに、何とか戦術を考える必要がある。MTBはロードバイクよりはるかにギヤー比が低いのに登れない。参考までに、私のMTB 17 歳は、前 3 段・後 7 段の年代物。ディレーラーのアイドラープーリーも、もう入手不可能という代物です。今は後 11 段変速だとか、もうびっくりです。かといって、筋力の不足を道具に頼るのもなあ・・・。みんなあの坂道を高い変速比のロードバイクで走ってるのに。

ちょっと、計算をしてみましょう。

私のMTB 21速ギアー比は、

トップギアー      44T-11T=4        ローギアー        22T-28T=0.78

一般的なロードバイクのギアー比は、

トップギアー      56T:11T=5.09     ローギアー        44T:25T=1.76

というわけで、計算間違いが無ければ、ローギアーは私のMTBと2倍以上違う。ちなみにロードのローギアーの1.76は、私が毎日走っている箕面滝道の最大勾配で使うMTBのギアーより高速ギアーだ。ということは、私がロードに乗ったら、箕面の滝道も登れないという事か・・・・。ショック!

箱殿~暗峠間 往復の記録

走行距離:7.2km (エッ、たったのこれだけ?)

平均速度:8.3km/h (ジョギングだなあ・・・、とても自転車とは思えない。暗峠で6.3km/hだったから、下りもゆっくりと下ったかということだ・・・。)

最高速度:30.7km/h(もちろん帰りの、近鉄奈良線をくぐってからの話です。)

以上、暗峠惨敗報告を終ります。

コメント / トラックバック 2 件

  1. 坂本照夫 より:

    にわさんお疲れ様でした。ヒルクライムは日ごろの鍛錬と精神力との闘いですね。自分はあまり好きではありませんが?一度チャレンジしてみたいですね。

  2. カズおっさん より:

    まこと先生お疲れ様。カズ爺です。
    暗峠は、自転車で行く所ではないのです。
    あの道は60歳過ぎのシルバー世代には存在しないことにしましょう。
    小生もっと楽しい道を発見してしまいました、またお誘いいたします。
    でも、存在しないと無視するのも旗立ちますよね。

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