厳冬期の『六甲山』自転車縦走・・・、寒かっただけのお話し。

2月5日偏西風の蛇行とやらで、日本列島に第一級の寒波がやってきた。北海道ではマイナス30℃近くまで下がったとか・・・。立派な仕事もしていないのになんだかんだと用事が詰まってて、まあ今日あたり出かけようかと、いつも通りまだ陽も昇らない朝の6時に真っ暗な自宅を飛び出した。西へ向かうには、六甲の裏を通るか芦屋・神戸を通るかだけれど、そうだ六甲山を越えてみようと思い立った。



豊中から国道176号線を小浜まで行って南下、宝塚市役所の手前の橋から武庫川の川面を写してみた。南東の方角だから、朝日を背景にしているのは生駒の山並みになるのかな?



まだ7時前で、阪急電車もまだそれほど込み合っていない、阪急逆瀬川駅付近です。さてここから逆瀬川を遡上して、六甲山頂に向かいます。



逆瀬川に架かるポンコツの橋の上から、上流を見上げたところです。この左手奥には、今年の冬戸隠の山小屋でお世話になった関西学園大学のキャンパスがある。



住宅街を抜けたところに、気温を示す電光掲示板があった。3枚ほど写したのに、マイナス4℃が写らない。じっと止まっていると、寒くて寒くて何時までも電光掲示板に付き合っていられないので先を急いだ。



谷筋の道は徐々に厳しくなって、ギヤーを一つまた一つと低速に下げていって、ふと見上げたら山の上の木々が雪で白くなっている。この時はまだ『綺麗やなぁ・・、この先もっと綺麗になったらいいのになあ・・・・』と呑気に構えてた。



ほら、陽もさして、青空に白い木々の枝がとっても美しいでしょ。ここを左に折れると、芦屋に下りてしまう。目指すは六甲山、あと7kmと書いてある。



せっかく止まったから、水分補給をしようとキャップを取って飲もうとしたら、なんだかペットボトルがカサカサ音がして、シャーベットが口の中に流れ込んできた。ボトルの内側には氷が付き、お茶の中は融けたカキ氷の様にもやもやしている。やっぱりマイナス4℃だと思った。



『ほおら、だんだんきれいな景色になってきたで・・・』と、凍結防止剤の塩カルのビーズをプチプチ踏んで走ってても、まだこの先の雪まみれの自分を想像すらしていなかった。



なんだか路面が怪しくなってきたなぁ~と思っていたら、ありゃこれはちょっと不味い状況になって来たなあ・・・。ここはちょうど鉢巻山トンネルの手前だ。六甲山頂の一軒茶屋は、もうちょっとのはず。



無事到着です。顔が疲れてる、いや歳のせいか・・・?ヒルクライムするのに、ツーリングバッグはいらんだろうと誰かに言われそうだけれど、何しろこの愛馬は農耕馬と言われるだけあって強烈に重い。

ロードバイクの人は逆瀬川からここまでを一つのコースにしているようで、色々なブログを見ると記録が載っている。今回は『cento1ポチポタ日記』さんのブログを参考にさせてもらった。ありがとうございます。ロードバイクの人は、このコースを60分ぐらいで駆け上がるようだ。暗峠でも思ったけれど、ロードの人ってどんなエンジンを脚に備えてるんだろうか?一度解剖してみたい。

ちなみに私の記録:

逆瀬川→六甲山頂:11.7km(自転車のメーターの記録)

所要時間:1時間37分(自転車が重いだとか、写真を写していたとか、還暦を過ぎているんだからとか言い訳をしても、やっぱり遅いものは遅いだろう!ハイ分かってます、今後精進します。)

平均速度:たぶん時速7kmそこそこで、駆け足ぐらいか。自宅から逆瀬川まで暗がりをAve21.7km/hで走ってきて、山頂に付いたらAve13.2km/hまで落ちてた。

その時は記録なんて考えてる余裕は無く、じっとしていると凍死しそうなので先を急ぐことにした。



まだまだ、こんな道が続きます。ブレーキをかけない限り滑ったりはしないので、まあまあ何とか走れる。26×2.0スリックタイヤのお蔭かな・・・。ブロックタイヤなら、もっと軽快に走れるのかな?



ようやく雪道地獄を過ぎた。ここで左折をすれば三宮に下りられる。下界は暖かいかもしれないという誘惑を振り切って、さらに西に進むことにした。



このコース、あんまり景色が良くないなぁ、大阪湾の方向かな・・・。人影の無い植物園や六甲山ホテルを過ぎて、やはり人影の無い六甲山牧場で小休止。閉園中でも係りの人が、ゴミを運んでた。『寒いですね・・』と声をかけたら、どっから来たん?と聞くので逆瀬川からと答えたら、『ようこんな日に上ってくるなあ・・・』と、ちょっと呆れ顔をされた。その気持ちは分からんでもない、自分でもそう思う。



六甲山牧場のところの、道路標識が目に入った。『摩耶山』か・・・、ちょっと気持ちが動いた。ここまで来たんだから、行ってみるか!ちょっと軽快に下ってちょっと頑張って登ったら、摩耶山の頂上に到着した。開けていて、なかなか気持ちの良い道だった。



いやぁ頑張ってきてよかった。抜群の景色だ。神戸の街並みとポートアイランド、その先に神戸空港が見える。



もう少し西にカメラを向けると、真赤な神戸ポートタワーが見える。残念ながらこのカメラと私の腕では、ポートタワーは判別不能の様だ。



カメラを東に向けると、大阪湾が雲間からさす陽の光で輝いていた。島は六甲アイランドかな?大阪湾が広がり、対岸まで何とか見える。



私があんまり綺麗だ綺麗だとはしゃいでいたら、山麓に住むというおじさんが『最近はあんまり綺麗に見えない、空気が汚れとるかもしれんなぁ。』 と言ってた。見通しの効く日は、関西空港や和歌山・徳島あたりまで綺麗に見えるそうだ。明石大橋は尾根筋が邪魔をして見えないらしい。このおじさん曰く、『眺めは六甲山頂からより、摩耶山からの眺めの方が絶対に良いょ。』確かにそうかもしれないなぁ・・・。あいにく摩耶山ロープウエイは、冬季間は客がいないのでお休みだとか。だからこんな広い展望台にこのおじさんと二人っきりなんだ。このおじさん、山麓の自宅から歩いて3時間でこの展望台に着くらしい。毎日登ってくる人もいるとか・・・。色々と解説していただいたので、もののついでにシャッターを押してもらった。



だいぶ下ってきて、もう雪道の心配はなさそうだ。国道428号線小部峠まで、あと1km。



小部峠に到着した。峠と言っても、後は山麓まで一気に下ってゆく。この国道428号線は、やたらと道が狭く車が多い。ちょっと広いところで止まって後につっかえた車をやり過ごしたりしたけれど、なんだか体がスムースに動かず思ったラインに乗れない。強烈な寒さで肩がバンバンになって、上半身の動きがぎこちない。追走してくる自動車の運転手さんは、随分心配してたかもしれない。



異人館のあたりを通って東に向かったけれど、異人館めぐりの観光客は全く無し。一方通行を逆走しているので、対向自動車に邪魔にならないように走った。東灘あたりからまた天気が怪しくなってきて、芦屋・西宮と雪に降られた。まあここまでくれば勝手知ったる西宮、凍死することは無い。

山手幹線を通って、武庫川を渡った。ここらあたりからは、もう9年間自転車通勤で通った通いなれたルートだ。一気に気が弛んで土手に上がってみたら、数時間前に遊んでいた六甲山が良く見える。芝生に寝っころがると、ほんのり背中が温かく日差しが心地よい。



さあ、後16kmぐらいか・・・、お腹もすいたしお家に帰りましょう。12月の清水寺の記事に続き、長いお話になりました。最後までお付き合いいただき、感謝いたします。最後は、何時もの自転車の記録と感想文です。

自転車の記録

走行距離:90.4km(いつもの2/3ぐらいしか走ってないなぁ、まあヒルクライムと厳冬期ということで、良しとしましょう。)

平均速度:17.8km/h(言い訳はしません、私の実力です。)

最高速度:50.5km/h(どこかな?やっぱり小部峠からの下りかな?)

走行時間:5時間5分(Auto. ちょっと休みすぎじゃあない?)

水分補給:500mlでお釣りが来た。

良かったこと:厳冬期の六甲山は自転車にとって厳しいけれど、この時しか見られない景色に触れられた。

残念だったこと:平日とはいえ、自転車乗りに誰一人出会わなかった。そうだよな、よほど物好きでない限り、こんな日にわざわざ雪の六甲を走ろうとは思わないよ。(註釈:私は物好きではありません。知らずに出かけただけです。)

以上、『厳冬期の六甲山縦走』でした。

コメント / トラックバック 2 件

  1. カズ爺 より:

    まことさん、ようやりまんなー。
    このかず爺でも、極寒期の六甲は自転車では行きません。
    今は低い山で我慢しているのに。路面凍結でスリップして
    谷底で、白骨化するのにはまだ早いですよ。
    先週末に田島氏と低山を100㎞ほど走りましたが、それでも
    早朝は危険な感じがしますよ。
    2月15日銀輪クラブの総会です。
    出席してください。
    今後の活動方針や、各人の連絡ルートなどの調整をします。

  2. cycle-ed より:

    カズさん、コメントをありがとう。『ようやりまんなー』と言われても、行ってみるまであんな状態とは思わなかったんです。でも今思えばなかなか、楽しいサイクリングでした。白骨化して発見されるのは、あまり自転車乗りの最後にしては名誉ではないですね。銀輪クラブ総会、もちろん出席しますよ。何時からかな?
    にわ まこと

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